DOLL・・・ ~秘密倶楽部~
まるで誰かの許しを
請うかのように
乙羽は頭から
冷たい水に打たれる
ハァ..ハァ...
あまりの冷たさに
呼吸が荒くなっていく
いっそ、このまま
心臓が止まって
死んだって
かまわない...
真冬の冷たい水が
容赦なく
乙羽の身体から
体温を奪い取っていく
みるみる青ざめていく
乙羽の唇
後悔と自責の念が
代わる代わる自分を
責め立てる
こんなことが...
これからずっと...
乙羽は崩れるように
シャワーの下にしゃがみ込んだ
シャァァァー
後悔なんて...
決めたのは...
他の誰でもない
あたしだ...
乙羽はフラフラと立ち上がると
冷たくビショ濡れになった
服を脱ぎ捨て
温かいお湯の栓をひねる
芯まで冷えた体に
少しずつ
体温が戻ってくる
乙羽の身体のあちこちに
無数に浮かび上がる
西山との行為の跡
その醜い跡を
何度も何度も執拗に
擦る乙羽
皮膚はだんだん
赤く腫れ上がり
血が滲んでも
それはまるで
消えることなく
尚も色濃く浮き上がる
生々しく残る
股間の鈍い痛みと
排水溝へ流れていく
一筋の赤...
それが生理なのか
西山との行為のせいなのか
分からない