DOLL・・・ ~秘密倶楽部~

 直帰ならって...

 今..何時くらい...
 
 なんだろう...


真っ暗な玄関で一人
置き去りにされたあたしは
ゆっくりとその場に座り込む


 今ならこのドアを開けて
 逃げ出すことも
 出来るはず...

 でも...


あたしは玄関のドアノブを見つめる


 あたしって...
 結構...
 義理がたいんだ...

 こんな悲惨な状況でも
 契約金や飯岡さんのこと
 考えてる...

 まぁ...
 当たり前か...

 自分で決めて
 ここにいるんだから...

 誰にも迷惑
 かけちゃいけないよね...

 あたしが...
 
 あたしさえ...
 我慢すれば...


また涙が溢れてくる


 はぁ...


深いため息と共に
玄関でうずくまる


 体の力が抜けていく...

 もう何も...
 考えたくない...




どのくらい時間が
たっただろう...


ガチャ、ガチャ!


突然、玄関の鍵が
音を立てる


扉が開き
外の明かりが射し込むと
あたしは思わず
眩しさで目を細めた
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