DOLL・・・ ~秘密倶楽部~
袋の中は
パンやお菓子、果物の他
飲み物やインスタント食品までも
入っている
「DOLLが買い物に
行けない事ぐらいアイツも
十分、分かっているだろうから
買い置きくらいしてあるだろうが
まぁ..念の為だ...
間違ってもフラフラ
買い物なんかに出るんじゃないぞ」
そう言い飯岡は
玄関を出て行く
あたしは慌てて
深々と頭を下げた
「ぁりがとうございます」
「勘違いするな...
本来ならお前はココに
いるべきじゃない...
まぁ...
お前に言ったって
どうしようもないが...」
やっぱ、飯岡さん
怒ってる...
「だが...
ぁの柊音をココまで
夢中にさせるとは...
俺が見越した通り
やっぱり、お前は
DOLLに向いてる...」
DOLLに向いている...
それは褒め言葉なのだろうか...
あたしにとっては
耳を塞ぎたくなるほど
悲しい言葉...
エレベーターが
上がってくるのを待つ間
飯岡は煙草に火をつけながら
柊音の部屋の明かりを見つめる
ったく...
不思議な女だ...
何の色香もない
ただの小娘なのに
乙羽を見た野郎はみんな
よってたかって乙羽を
手に入れたがる
柊音が中々
手放そうとしないから
一旦、DOLLBOOKから
削除したが未だ毎日
問い合わせが殺到している
何より、あんなにDOLLを
否定していた柊音が
こんなに執着するとは...
この女...
こんな無垢な顔で
床上手か...?
エレベーターの扉が開き
飯岡が乗り込む頃
あたしは飯岡が買ってきてくれた
袋の中を覗き込んでいた
「?
『しましまクッキー
シマのしまゾゥー』
クスッ
何、コレ? カワイイ~♪
ゾ..ウ? シマウマ?」
シマシマ模様のクッキーは
どう見たってシマウマなのに
ゾウの形をしている
ゾウのとぼけた顔が
とても愛らしくて
乙羽は一人、吹き出す
プッッ ククク...
コレ...飯岡さんが
買ったのカナ...?
飯岡がコレを選んで
買う場面を想像しただけで
ちょっと笑える...