残酷なラブソング


今、私達は寮から車で1時間弱の

場所にある空港に向かっている。



車を運転するのは、愛未。

その横で、すでに涙を耐えているのが、
陽菜。

そして後部席で花束を抱え、
大人しくしているのが、私。



「なんか喋りなさいよ。」


ラジオの失恋ソングが流れる中、

ましてやその内容が遠い別れとなると

現状と被って喋る気になんてなれない。



「別に最後のお別れなわけじゃないんだから」


愛未はバックミラー越しに私を見た。


「・・・・うん」




カサッ


花束を軽く抱きしめると、

かすみ草が私の頬に触れた。



君島さんは、今、どんなに

寂しいんだろう。



一人で身内もいない遠い地に行くなんて、

私じゃきっと耐えられない。


すぐホームシックになって

泣き戻りしちゃうに決まってる。




陽菜の肩も小刻みに震えている。


陽菜、見た目からは想像つかないけど、

すごく友達想いで人情厚いもんね。



そんなとこ、好きだよ。




愛未は、悲しい別れにならないように

自分も悲しいのに明るく振る舞って

くれてるんだよね。


もう、しっかり者なんだから。



いつも愛未のそうゆう

姐御肌に助けられてる。





友達って、



今更だけど


すごく大事

大切。






「もうすぐ着くよ。」


愛未がウィンカーを出して

車線変更すると

見えなかった景色が目に飛び込んだ。



高い位置を走る道路から見える景色の中に

たくさんの飛行機が見える。




「どれに乗るんだろうね。

ほらっ、あれとか高級そう」


愛未は声だけ笑って見せた。




君島さん、私達ね、


昨夜私と愛未の部屋で

君島さん宛てのメッセージカード

作ったんだよ。



陽菜が暴走して、

君島に着いてく!って言い出したり、

大変だったんだよ。


君島さん、私、やっぱり寂しいや。




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