残酷なラブソング


「見送りありがとう!

ゆっくり話す時間もなくてごめんね。」


「君島のバカタレぇぇ〜」


「え、えぇ?」



あれから、君島さんと待ち合わせた場所に

向かって、運よくすぐに合流できた。



啓太くんが君島さんに

会ったかどうかは分からないけど、

特に気にしてなんかない。



「ままま、その辺にしといてさ」

泣きわめく陽菜を君島さんから
引きはがして、

ほらっ、と愛未が私の背中を押した。


さっきから1番君島と距離を

とってた私。


今、すぐ近くに君島さんがいて。


「美桜ちゃん・・・・」


君島さんは、私にとって

陽菜や愛未と同じくらい特別な存在だから



だから


だから何だろう。



君島さんが遠くへ行ってしまう事、

認めたくないのかな。


君島さんがいざ目の前にいるとなると

現実が身に染みるようだよ。



「き・・み、じまさん・・」


「やだ。」


「え?」



君島さんは、あのえくぼの笑顔で

ふわりと笑った。


「君島さんなんて嫌。

沙織って呼んでよ、ね?美桜」


「う、・・・うわぁぁぁぁぁ〜」


「ちょ、美桜!?」



ごめんね、き・・・沙織。


抱きしめすぎて花束ぐちゃぐちゃだぁ・・・



涙だか鼻水だか分からない液体が

ラッピングのセロハンに

飛んじゃってるし・・・・


「沙織ー!!」



愛未は嬉しそうに私たちを見ていた。

陽菜は今にも拍手しそうな勢いがあった。



花束もしおりも渡して、

メッセージカードをそれぞれから

渡した後、


沙織が肩掛けの鞄を探りだした。



「みんなのアドレスと携帯番号

教えてよ!」



「さーおりーん!」


陽菜が君島さんに抱き着いて

その後もずっと離れなかった。



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