残酷なラブソング


君島さんが搭乗口に向かう途中、

何度か君島さんと顔見知りの人が

会いに来た。


その中には、

大学で君島さんがよくつるんでいた

トラブルの多い女子達もいた。



散々な目に遭わされたはずなのに

いつもの人懐っこい笑顔で

接していたんだ。




君島さんは、人間的に素晴らしいんだと

改めて実感したよ。




搭乗口に見えなくなる君島さんを

沙織って呼んだ時、

振り返った途端に君島さんが

エスカレーターに消えていった。




寂しい。

悲しい。


でも、会えて良かった。



少しの間だったとしても

同じ時間を共有できてよかった。




「沙織、がんばれよ・・・」


陽菜が大量のお土産袋を握りしめて

強く言った。






「さ!パァーッといきませんかぁ??」


陽菜が満面の笑みで、

後部座席から顔を覗かせた。


「用事あるから、パス。」


愛未がスッパリ断ると、

拗ねた陽菜が車を上下に揺らした。


「こんな私を一人にしないでぇ〜!

寂しすぎてどうにかなりそうだよぉ!!」


「知るか!」



すると、肩を後ろから

がっしりと掴まれた。


「美〜桜ちゃんは、暇だ〜よね〜?」


魔女みたいな不気味な笑みを浮かべて

脅迫してくる陽菜に、

背中が凍りついた。


「こわ!怖いよ、陽菜!」


「そんな真剣にビビるこたないじゃん!」


ビビるよ!



ぷーん、と拗ねた陽菜は足を組んで

そっぽを向いてしまった。



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