黒板とノートと三角定規
ペッタンコの、革の鞄を乱暴につかみ取ろうとした瞬間だった・・


「はい!座れ~」


ギリギリタイムアウト・・


なにそれ・・めっちゃ最悪なんだけど・・・



「え~昨日から緊急で、数学の先生木下先生が入院になったので、臨時に数学を教えてくれる新しい先生を紹介する。」


先に入って話をしてくれた先生の名前が、わからないぐらい私はこの学校に馴染んでないのに気が付いた。


はぁ・・やっぱ学校やめよ・・



「海野(カイノ)先生どうぞお入りください」






その言葉に、誘われるように新しい数学の先生が入ってきた。


「少しの間ですが数学の担当します。

海野 匠馬(カイノ タクマ)です。よろしく!」



丁寧にお辞儀をして顔を上げた、海野先生は、先生らしからぬ、高そうなスーツに身を包み、少しウェーブのかかった、やわらかそうな薄い茶色の髪を片手でかきあげていた。


くっきりとした二重瞼で、陽だまりのような優しい笑顔をしていた。


先生にしては・・イケメンすぎる・・


それが・・あたしの第一印象だった。







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