犬神さまのお嫁さま
 いつの間にか泣き止んだママは満面の笑みでダイニングテーブルの向かいに座る私にVサインをして見せた。

 そして自信満々に理由を説明してくれる。



 「だってパパはママの事愛してるもん。ママの言う事聞いてくれるに決まってるじゃん」

 「だぁああぁぁっ!!犬猫飼うんじゃないんだからもっと慎重に判断してよパパァッ!!」



 ストッパーだと思っていたパパに裏切られた私は絶叫しながらダイニングテーブルをぶっ叩いた。

 パパはオーストラリアに海外単身赴任中で年内中は向こうにいる。

 だから家には私とママの女2人暮し。
 そんな家だというのに何を考えているんだか。

 ていうかママが可愛いなら知らない男の居候を認めないで!
 それに年頃の娘がいるって事忘れてるの!?


 ママが確認を取ったと言えど自分の耳で聞いてないので納得がいかない。
 それに私が言えばパパだって考え直してくれるかもしれない。

 私は一縷の望みをかけて椅子から立ち上がり電話へ向かった。
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