犬神さまのお嫁さま
いつに無く落ち着きの無い教室に始業ギリギリで滑り込んだ私に隣の席の美沙都がニヤニヤしながら寄って来る。
「ちょっと今日から転校生来るんだって!」
「はぁ?なんでこんな中途半端な時期に?」
「知らないって。でもこんな時期に転校生って『訳アリ』っぽくない?」
「『訳アリ』って何よ?」
「あーなんだろ?ほら、『家庭の事情』ってやつとか」
「そりゃあ家庭の事情でもなきゃ高校になって転入なんて無いでしょ?大体編入なんてのも聞いたことないし」
妙にテンションの高い美沙都のトークをいなしつつ私はコンビニで買ったばかりの500mlパックのビックルの封を開ける。
開け口にストローを挿してちゅーっと吸い上げながら美沙都の話に付き合った。
「ちょっと今日から転校生来るんだって!」
「はぁ?なんでこんな中途半端な時期に?」
「知らないって。でもこんな時期に転校生って『訳アリ』っぽくない?」
「『訳アリ』って何よ?」
「あーなんだろ?ほら、『家庭の事情』ってやつとか」
「そりゃあ家庭の事情でもなきゃ高校になって転入なんて無いでしょ?大体編入なんてのも聞いたことないし」
妙にテンションの高い美沙都のトークをいなしつつ私はコンビニで買ったばかりの500mlパックのビックルの封を開ける。
開け口にストローを挿してちゅーっと吸い上げながら美沙都の話に付き合った。