犬神さまのお嫁さま
 「さぁ行くぞ。これでお前に手ぇ出すやつはいなくなるから安心して俺の嫁になるがいい」



 私の肩を両手でがっちり掴んで少し屈んでしっかりと目を合わせてそう言い切る。

 ちょ、待てアンタさらりと最後になんて言った?


 希彦は有無を言わさない空気を全身で発しながら微笑むと私の回答を待つ。

 ここで「イエス」と言わないとこの針の筵(むしろ)シチュエーションからは脱出出来ない。

 でも「イエス」と言えば嫁になることまで含む事になるだろう。

 それは避けたい、全力で。
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