犬神さまのお嫁さま
 「あーえーっと…まぁここじゃなんだし…」

 「…それもそうだな。ここでわざわざ嫁の睦言を下衆に聞かす必要も無い」



 『下衆』という言葉のところだけ強調し、佐々木先輩を睨みつけながら希彦は言う。

 そして言い終わった後はさっきまでの剣幕が嘘のような笑顔を私に向けた。

 私だけに向けられる超弩級のキラキラスマイルに一瞬思考がショートする。


 なんだかんだ言ってもコイツのイケメンっぷりはハンパない!

 ああでもこんなのにたらしこまれたらダメ私!


 必死で自分にブレーキをかけようとするも体中の血液が沸騰したみたいに熱くなる。

 絶対顔真っ赤だ。早く1人になりたい。
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