愛なんて存在しない
「いってぇ…!」
「痛くしたんだから当たり前」
余談だけど、隆弥は柔道部で全国大会の常連者
そんな奴に頭掴まれたら、そりゃあ痛い
…しかも結構本気で掴んでたし
「…馬鹿力」
「もっぺん掴むぞコラ」
「すいませんでした」
そんな2人の会話を聞きながら笑ってたら、後ろから肩を叩かれた
振り返ると、何故かニヤリと口元をつり上げる仁菜の姿が
「どした?」
「青春だねぇ…」
「…はい?」
いきなりそんな事言われても、キョトンとなるだけで…
そんなうちの様子を見ながら、仁菜はまだニヤニヤと笑っていた
「隠さないでいいってば!
で?どっちが好きなの?」
「は…!?べ、別に好きじゃないって!」
「はいはい、とぼけない!」
「とぼけてない!」
そう否定してもまだニヤけてる仁菜の顔に、一瞬パンチ入れてやろうかと思った
――――……