2/3友達
カツヤの言葉。

丁寧さが逆にぎこちない。

カツヤ自身も、とまどいながら言葉を選んでるんだろうな。

緊張気味にコーラを飲んでるカツヤを見てくすっと笑った。


「で、彼女と俺との関係なんですけど。」

「うん。」

「もともと俺の家庭教師としてうちに来てたんですよね。彼女は、俺の行きたい大学に通ってたし、結構真面目に勉強してたんだけど、ある日、急に彼女から頼まれたんです。」

「彼氏バイト?」

「う~ん・・・彼氏バイトっていう直接的な言い方じゃなかったんだけど、『時間のあるとき、デートしてくれない?』みたいな感じで。最初は、彼女って結構見た目はいけてるタイプだったし、俺も男だし、あ、すみません。軽いノリでオッケーしたのが始まり。」

「俺も男ねぇ~・・・」

わざと意地悪い顔してカツヤを見た。

「すみません。でも、別に彼女に気があるとかじゃなくて、俺もその時彼女いなかったし、勉強が煮詰まってた時期だったりして。それから、ちょくちょく彼女の呼び出しがあったら、デートするようになっていったんですよね。」

「でもさ、それって、結局彼女から告白されたのと同じじゃないの?彼女はわざとそういう言い方して、デートにさそって彼氏にしたかったんじゃ?」

「・・・かも。しれませんけど。」

「絶対そうだって。彼女の気持ち知ってて、軽いノリでずっと付き合ってたんだ。」

やっぱり。

彼女は、カツヤのこと好きだったんだと思うよ。

「俺もそのうち調子にのっちゃって、彼女に色んなこと教えてもらったり、彼氏づらして歩いたりしてたわけです。でも、彼女を好きになったんじゃなくって、あくまで調子にのってただけで。」

うわ。

苦しい言い訳。

んなことあるか。

少し気持ちに距離を置いた状態でカツヤの話を聞く。
< 73 / 230 >

この作品をシェア

pagetop