長くて短かった月日
無かったっけ、そうだよな俺より後に入院して来たんだよな。だから知らないだろうが、来た時俺一人で来たんだそれから今日まで金を持って来いと連絡した一回しか来て無いんだ。しかも三分で帰って行ったよ。だから見たことも無いはずさ。」 「そうなんですか。それで聞いても良いですか。さっきの看護婦さんと、何処で知り合ったんですか。」 「城くん、今は看護婦と言うのはいけないんだよ。看護士だよそれで質問だけど、今日の午前中迄知らなかったよ ちなみに、オペ室に行く迄知らなかったのさ」 「エッ そうすると何ですかオペ室で自分のオペ中にナンパしたんですか。マジで」 「そう、マジで」「それなのにあんなにも、仲が良いんですか」
「そう見えたかな、でもこれから先一月とか二月とか会う事も喋る事も出来無いんだよ」 「しかし自分のオペ中にナンパですか前代未聞ですよ アハハ」と、城くんが笑っていると奥のベットに四日前に入院したばかりの六十過ぎの吉田さんが話しに加わって来た。
「城くん、何か有ったの」 「山田さん、言って良いですか」と、城は聞いて来たので
「吉田さん、今日オペ室に入ったらやたらいい女が居たからナンパしたんですよ そしたら見事自爆しましたよ 何て言われたと思います」と、聞き返すと「判らんよ、しかし山田さんって結構マメなのか図太いのか良く判らない性格なんだと言う事は良く解ったけど」
「良く言われます、場所も弁えないと、はははは褒められて無いって マァ聞いて下さいよ」とオペ室の中の話しを少し面白可笑しく話して落ちに「オペが終わって出口の所で今度、一緒にぶどう糖の点滴しないじゃなくて飲みにでも行かないって言ったら、帰って来た答えが下半身が森の中に隠れる人と何が悲しくてぶどう糖で、乾杯しなきゃいけないの だって参るよ こっちは初めての手術で緊張してたのに」と、話すと部屋中の人間が笑い出した。隣のベットの柴田のじいちゃん迄「しかし、根性入ってナンパは良いけど身体の隅々まで全て見られているのに、ナンパなんかよく出来るよ。流石山田さんって感じだね」と、言いながら笑っている
「なんだか、褒められているのか けなさいから少し寝るよ それから、今晩喚くかもしれないけど寝れなかったら済みませんね。未だ七時位迄麻酔が聞いているらしいから暫く静かに出来ると思うから」と、言いながら城にウインクして目を
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