応援団長の恋するチョコレート
「開けるな!」

俺の声が早かったか
三原がドアノブに手をかけた

俺は腕をあげると
ドアを押した

開けようとする三原に抵抗をする

三原が俺を睨む
そして肘を俺の腹にいれた

「東條、早く鍵をしろ!」

俺の声が聞こえたのか
がちゃっと
鍵をまわす音が聞こえた

ほっと
俺は息をついた

「三原、お前を警察に
突き出すことも俺にはできる
通報されたくなければ
もう東條の前にはあらわれるな」

「お前に言われたくない」

「なら警察に連絡する」

俺は携帯を出した

「ちっ」

三原は舌を鳴らすと
マンションの廊下を歩き出した

俺はエレベータに乗る三原を見てから
肩の力を抜いた

「朝霧君…」

「東條、怖かっただろ」

「ありがとう」

俺は首を横に振った

ドアを開けた東條の手が
大きく震えていた

「中に入っても平気?」

「うん」

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