走り出せ、コスモス*




田中先輩と付き合ってた数日の間に、少し想像したことがある

もし先輩とキスするとしたら…って


本当に申し訳ないと思うけど、私は気持ち悪くなった

無理!

だって他人の顔があんな近くにあるなんて…無理!絶対!!


私は、女として、そういうことできない種類の人間なのかなって思った。

だって普通の女子高生なら、キスやその先になにか憧れがあってもいいのに


でも、この間先生に「チューしていい?」って言われたとき

恥ずかしかったし焦ったけど、素直に嬉しかった

あー良かった… 私、女終わってなかった…って 思った


想像したら、急に先生に触れたくなってきた…

キスしたいってわけじゃないけど…そんな勇気はないけど…

あの時の体温が 愛しい


ぎゅってして、先生を感じさせてほしい


ああー!!

会いたい願望は常にあったけど、触れたい願望までプラスしちゃあ

もう耐えられないよー!!


思ったときにちょうど、電話がなった


ピピピ、ピピピ…

ってだけの、「着信音1」


そんな質素な機械音に、私の体はビクンと反応した


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