走り出せ、コスモス*







「ねえ、そんなに俺のことすきなの?」

「えっ…」

私は表情が固まる。


「ほら、どうなの?」

先生は頬を赤らめて、微笑みながら言う。


そっか

さっきから先生の顔がなんだか嬉しそうだったのは、こういうわけか…


「ねえ… 俺のことすき?」

不思議

聞かれてるのに、私が言われてるみたい…


すき…そんなの決まってるのに、恥ずかしくて…

「ほら 早く言いなさい」


言ったら、絶対先生喜んでくれるよね

言いたい 言いたいけど…!

「す き……」

目を閉じて、振り絞って、消えそうな声で言った


「聞こえない もっと大きい声で言って」

先生は、耳を私の口に近づけてきた


やだ やめてよ 

恥ずかしいょぉ…!!!

「すき……」

「ん もっと言って」

「せんせ… …あ」

もうやだって言いたかったのに、

言う前に 口をふさがれた

「ん……」



私 キス…けっこう好きかも

息がかかったり、唇がかすかに動いたり

慣れたら、先生を感じられて すき


「沙枝ちゃんキス好き?」

「!?」

なんで!?

なんで分かったの!?


「てか、慣れたよね

最初は顔近づけるだけでビクッてしてたのに

まあそれもそれで可愛かったけど」

なにそれ 変態オヤジ…


「ねえ、さっきのもっと言ってくんない?」

「え…」


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