悪魔のいる教室
もし私が明日転校する事になってたとして、その前日に悪口を言われたなら、何か言い返せるかもしれない。

けどそんな“もしも話”が実際起こるはずもなく、卒業するまでの平穏な未来をなんとしても守りたい私は、迂闊に行動出来ないまま。


惨めな思いはしたくないし、出来る事なら誰にも悪口を言われず過ごしたい。


結局は、自分が1番可愛いんだ。


人生に刺激なんかいらない。

望むのは、平凡で穏やかな日々。


つまんない人生かもしんない、それでも、死ぬほど辛い思いするよりはずっといい。


自分が傷つかない、そんな理想の生活に近づくためには、厄介ごとには関わらないのが懸命。


──だけど。

自分の大切な人の悪口を、黙って聞き流せるほど……私は、強くない。
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