悪魔のいる教室
出てきたのは、上半身裸の男。
頭やお腹、腕に巻かれた包帯。
傷と痣だらけの顔、身体。
左頬に大きなガーゼ。
右目の周りは、目がほとんど開かないくらいに腫れ、黒ずんだ赤色をしている。
こんな酷いケガ、テレビでしか見た事ない。
でも、それよりもっと驚きなのは──
「……ひなた?」
優しいトーンの低い声に、私はハッとして横を向いた。
さっき私があんだけ悪戦苦闘した階段をのぼり切ってすぐの場所に、涼しい顔して立ってる男が一人。
「悪りぃ。ちょっと買いもん行ってた。つか、久しぶりだな」
こっちに歩きながら懐かしい笑顔を浮かべているのは……イトコのタツ兄。
なんでこの部屋に住んでるハズのタツ兄がそこから現れて、部屋の中にいるのがこの……もしかして部屋間違えた!?
返事も出来ないまま口を金魚みたいにパクパクさせてる私を、タツ兄はキョトンとした顔で見つめる。
だけどすぐに私の前にいる上半身裸の男に目線をスライドさせると、フッと微笑み口を開いた。
「目ぇ覚めたか、隆斗」
頭やお腹、腕に巻かれた包帯。
傷と痣だらけの顔、身体。
左頬に大きなガーゼ。
右目の周りは、目がほとんど開かないくらいに腫れ、黒ずんだ赤色をしている。
こんな酷いケガ、テレビでしか見た事ない。
でも、それよりもっと驚きなのは──
「……ひなた?」
優しいトーンの低い声に、私はハッとして横を向いた。
さっき私があんだけ悪戦苦闘した階段をのぼり切ってすぐの場所に、涼しい顔して立ってる男が一人。
「悪りぃ。ちょっと買いもん行ってた。つか、久しぶりだな」
こっちに歩きながら懐かしい笑顔を浮かべているのは……イトコのタツ兄。
なんでこの部屋に住んでるハズのタツ兄がそこから現れて、部屋の中にいるのがこの……もしかして部屋間違えた!?
返事も出来ないまま口を金魚みたいにパクパクさせてる私を、タツ兄はキョトンとした顔で見つめる。
だけどすぐに私の前にいる上半身裸の男に目線をスライドさせると、フッと微笑み口を開いた。
「目ぇ覚めたか、隆斗」