生徒会長様の、モテる法則
「なんだいその情報は!」
やっぱり君は忍者なのかい!
スラスラの言い並べられた彩賀涼華に関する情報。
それより何より…、なんでそんなこと知ってんの。
「敵に回したくないタイプだわ」
「大丈夫です。敵に回ることはありえません」
そうっすか。
私には無言の制圧にしか聞こえないんですけど。
「へー!彩賀ちゃんも強いんだ!リンとどっちが強いかなぁ」
「鈴夏さんの戦闘力はお父様の受け売りですから、日本が誇る道場の一人娘とはジャンルが違うでしょう」
「キャー!なんで私のこと知ってんの!」
久遠寺くんがサラリと、私の事を話し出したので思わず鳥肌が立つ。
彩賀涼華ばかりでなく私までも…!!
何気に調査してんじゃねーよ怖いな!!!
「春はもう少し周りに興味を持ちなさい」
「えー、興味ないもんは仕方ないじゃん!」
悠長にそんなことを言うが、興味を持つレベルの知識量ではない。
さてはあのメガネ…、スカウターか…!!
とにかく、彩賀涼華が強いことが判明した今私は高校生活を安全に過ごす可能性は完全に消えた。
いや、もう要冬真と出会った時点で終わっているのだが、そう言う事じゃない。
妙な嫌がらせをされたら、正直体力で蹴散らそうと思っていた。
が、ボスが同等、もしくはそれ以上の力を持っているとなれば話は別である。
その辺のお嬢様なら勝つ自信はあった。
恐らく、少し脅せば逃げていくのだから。
最後の手段だった。
あの監視具合。
いつ呼び出されても可笑しくない。
―…今度は二人だけで、会いましょう?
屋上でのあの言葉が、脳裏を過ぎった。