それでもわたしは生きている
その後、もう一度契約に関して会って、後は電話で、これも契約に関して1度しただけ、それきり。

いくら自分担当のお客様といっても、そうそう交流はない。


―だけど…なんか楽しかったな。人懐っこい子で、なんか…久しぶりに男の子と喋った気分。毎日昼も夜も仕事で喋ってるのに、変なの―



そのまま、なんとなくケンジの笑顔が心に残ったまま時は過ぎた。


12月、会社でお客さん用のカレンダーが配られた。

夜の仕事のない日、ソウタが眠った後、なんとなくケンジを思い出した。

―どうしてるかな…なんか喋りたいけど…そうや!―



「もしもし?あのタチバナやけど…わかる?」

「うん!!わかる!どしたんですか?」

「え…あ…」

―なんかめっちゃテンション高いんですけど―

「カレンダー…いる?」

「いるいる!」

「そう、じゃあ送るから、それだけ」

―ほんまはもうちょっと喋りたいんやけど―

「取りに行くわ!」

「へ?いつ?どこに?」

「いつでも!どこに行けばいい?前のファミレス?」

「酔うてる?なんでそんなテンション高いん?」

「普通普通」


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