それでもわたしは生きている
結局ケンジはカレンダーを取りに来て、それから度々、店に呑みに来るようになった。

勿論私が終わるまで居て、車でソウタのお迎えの後、家まで送ってくれる。

頻繁に店に来るようになれば、なかなかケンジの相手ばかりはしてられない。

たまには送ってもらって

「ありがとう」

それだけの日もある。

だけど、少しずつでも私はケンジに気を許し始めていた。


ある日、ケンジは自分の友達と2人で来た。

その友達は、もっとノリのいい子で、他のホステス達も車で送る事になった。


その日の車はスポーツカータイプで、2ドアで狭い。

運転手はケンジの友達、当然ケンジは助手席だと思ったのに、それぞれの体型や人数の都合上、後部座席でケンジのヒザの上が私の席になった。


3つ年下だからなのか、あまり男性という意識はなかった。


車が走り出し、しばらくすると、上半身は前のシートに寄り掛かるように、あまりケンジに密着せずにヒザに座っていた私の腰からお腹にかけて、ケンジが両腕を回した。

―やめてよ、お腹出てんのに!―

そして、私の背中にシッカリと自分の横顔を密着させ、私を引き寄せるように腕に力を入れてきた。

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