それでもわたしは生きている
「持って行ったるから欲しいモン言い!」

「あ…」

―寂しくさせたり、嬉しくさせたり…よぉわからん!―

「じゃ、ソウタのはかせるオムツ!」

「え…オムツ…?」

「あ、それとティッシュ!」



プップッ!

外で車のクラクションがなった。

―ケンジや!―

「遅なってごめん!オカンに話したら、おにぎり持って行きいいよって、これ!」

「うわ!何個あるん?ごっつい数…」

「家住めるん?」

「アカン、あっちの方の家が燃えとって、火が消えへんねん。ちょっとずつこっち近付いてきとって、ここも燃えるやろうって近所の人が…」

「どうするん!?」

「しゃぁない、大事なモンだけまとめたから母のとこ行ってみる。どうなっとぅかわからんけど」

「そうなん、頑張れよ」


なんやろ、やっぱり寂しい…

ケンジの言葉はなんか寂しい…
なんでやろ…


ケンジは帰った。

母の家は、私の住んでる街と、ケンジの住んでる街の、丁度真ん中あたり。



何時間もかけて辿り着いたのは夜中の3時。

今は交通手段がないから皆歩いてる。

だから深夜でも人だらけだった。


こんな時間なのに母の家の明かりが付いてる。

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