それでもわたしは生きている
「ユウちゃん…でもオレ、ほんまに彼女と別れようと思った時あってんで!」

―なんで別れんかったん?―

「でも、オレとこの会社の社長…彼女のお父さんで…別れるイコール会社も辞めなアカンし…なかなか簡単には…」

―ヘェ…そんな仲なんやぁ…そんなん…あんたはずぅっと彼女から逃げられへんわ!―

「でもな!ユウちゃん!オレ、2人共同じ位好きやねん!」

「…同じ位?」

「そう!信じて!2人共好きやねん!だから…」

私は笑顔で言った。

「じゃあさ!彼女に私の事言える?同じ位好きなら同じようにしてよ」

「え…、いや、それは絶対無理!絶対言われへん!めっちゃ怒るし…無理無理無理!」

カッチーンときた。

「じゃあなんで私には言うたんよ!私は怒らへんと思ったん!?傷つかへんと思ったん!?なぁ!2人共好きやったら同じようにしてよ!」


ケンジの前で…
ずっとずっと、私に安らぎを与えてくれてたケンジの前で…
私は初めて声を荒げて怒りをあらわにした。

ケンジはひたすら謝った。



「ケンジ…」

「ん…」

ずっと下を向いてたケンジは、落ち着いた私の顔を見た。

「ケンジ…彼女のとこに…帰り…」

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