それでもわたしは生きている
殴られたことで、両手を付き下を向いたまま私が泣いていると思ったのか

「お前が悪いねんぞ、最初から大人しくしとったらえぇねん」

と言って、ゆっくりと近付き腕を引っ張り上げようとした。


残念でした!
私は殴られ慣れてるので全然平気なんです!

自慢にならない…


私は、突然立ち上がると同時に頭から男に激突してやった。

男がよろめいた隙に今度こそ走り出した。

必死で走った。

振り替えると


!!!


うそっ!
速い!

男が猛ダッシュで追いかけてくる。


やだ!
恐い!
恐いよぉ!


すっごい必死で走っても、男はドンドン近付いてくる。

私は角を曲がってすぐに目に付いた4階建ての小さなマンションに入った。


見られた?
見られてない?


荒い息を押し殺し、ヒールを脱いで、外から見えないよう中腰で階段を上がった。

もっと上へ…
もうひとつ上へ…


4階まで辿り着いたものの、今ここへ上がって来られたらどうしよう、逃げ場がない。


どんなに叫んだって誰も助けてくれない。

そんなことは既に経験済み。

下を覗くことも恐くて出来ない。

しばらく、4階の1室の前にしゃがみ込んでいた。

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