それでもわたしは生きている
足がガクガク震えてる。

手も…

あの拉致の時より恐怖を感じてる。

あの時は恐いもの知らずなとこもあったから、私もちょっとは大人になれたのか…


とにかく、どうしよう…
恐くて下へ降りれない。


店を出たのが11時半、こんな時間だけど…
仕方ない!

私は決心して、目の前の扉の横にあるチャイムを押した。

小さいが、ここはCMにも出てるちょっと高めのマンション。

ワンルームじゃないから危険な男の1人暮らしという可能性は低い。


インターホンの向こうから恐る恐るといった感じの声が聞こえてきた。

「は…い…」

良かった!
女!

「あ、あの!夜分にすんません!あの、私、痴漢に追われてて、あの、中に入れてもらえませんか?」

「え…」

「お願いします!」

「あ、あの…うちも今、子供と2人なので困ります!」

「あ…じゃ、あの…下見てもらえませんか?」

「ちょっと待って下さい!」

不安そうだった声から不機嫌な声に変わった。


「誰もいないみたいですよ!警察に連絡しときますから、迷惑なので早くどこかに行ってください!」

「あぁ…はい…すいません…」

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