それでもわたしは生きている
「ソウタ!ジッとして!落ちるで!ちょっ…、重い…」
キレた…
疲れてる分、キレるのも早い。
まぁまぁ広い歩道の真ん中で、傘を投げ、荷物とソウタを下にストンと落とした。
ソウタは私の足下に座り込み、雨に濡れながら大泣きをしている。
私も泣きたい…
ナオキ…
助けろよナオキ…
なんで…
なんでいないの…ナオキ…
ナオキがいないことを、まだ100%受け入れられていない私がいる。
ナオキがいなくなって、1年半も経つのに。
ナオキが居てくれたら…
もう少し子育てに専念できたのに。
ナオキがいてくれたら…
こんなに必死で働かなくても、近所で短時間のパートで済むのに。
ナオキがいてくれたら…
『勿体ない』なんて言わず、タクシーに乗って笑って帰るのに
どんなに嘆いたって、ナオキはいない。
もうナオキは助けてはくれない。
絶対に助けてくれない。
だって、ナオキに私の嘆きは聞こえない…
どの位そこに立ち尽くしていたのか。
「あらあらあら!傘飛んじゃったのね」
我にかえった。
「ハイ、どうぞ!」
通りすがりのお婆さん。