ありがとう、
彼が私をどう思っているのか、とか、私に気付いてくれたかな?、とか。


知りたいことはいろいろあるけれど、それをすべて飲み込んで平然と小百合に笑いかけた。


「今日もクレープ行こうね。」

私はいつも小百合とクレープを食べながら恋の話をすることが日課になっていた。


彼の名前は【こーへい】。

どんな字をしているのかわからないけれど、周りの子たちがそう言っていたから多分そう。


もう彼の前を過ぎるだけの私の恋は、始まってから2ヶ月も経っている。

それなのにまだ一度も彼と話したことはない。


見ているだけ。

もうそんな恋にも慣れてしまっていた――。

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