魔王さま100分の2
真夏に黒頭巾と黒ローブの服装というのも目立つ原因なのだが、好ならば仕方ない。
他人には分からないこだわりがあるのだろう。
リズの眼鏡のように……。
キーヤは言う。
「まあいい、少々注目を惹いたところで敵兵に捕まるわけでもない」
言ったところで、
警備の魔法兵が文字どおりに飛んできた。
「すみません、そこのお二人様、とまってくださーい」
「……捕まりましたね」
静かに言うヘナ。
「お、落ちつけ、て、敵兵というわけじゃないぞ」
静かに言おうとするキーヤ。