魔王さま100分の2
魔法兵は、飛行杖を携えてゆくっりキーヤ達の前に降りた。
訓練された営業スマイルと穏やかな声色で話かける。
「失礼します。集まりが出来ているようなので声をかけさせて頂きました。何かトラブルでも?」
「いいや。ただ、ここでも毛色が違うのは珍しいらしい」
キーヤも営業スマイルで返し、
尖った耳を手で触れずにぴこぴこと揺らして見せてやった。
リズの靴仕込みで覚えた芸だ。
同時にヘナの半歩前に出て、ヘナを自分の後ろに下げさせる。
その動作を見ながら、魔法兵。
「それは失礼しました。お二人様は観光ですか?」
「自分は空港便の騎手で、この街の教会に急ぎの荷を届けるところだ」
半分ぐらい本当のことなので、キーヤは自信を持って答える。