魔王さま100分の2

「ヘナ、続きだ。こいこい」

金の魔王さまは、洗っている途中で逃げたヘナを手招きして呼び戻す。

ヘナは、濡れた翼をぶるぶるさせてから戻ってくる。

おかしな話題をふられて遊ばれるのは困るが、洗いかけで終るのはヘナ自身も気持わるい。

どうせ洗ってもらうならと、自分ひとりでは綺麗にしきれない部分を魔王さま達にあずける。

「……では、背中と翼をお願いします」
「よしよし」

魔王さま達は、快く聞き届けた。

「……翼の付け根の裏の方も見てください」

「ここか?」
「ここだね?」

再びヘナを泡で包んでいく。

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