魔王さま100分の2
罰というわけではないが、このくらいはされても仕方ないかなと思うシルキス。
ただ、やはり他人の目があるところでは、ほどほどにして欲しい。
相方の傷に指を突っ込んでいちゃつくカップルは、何の言い訳もなく目の毒だ。
「おっ、ひとつ取れたぞ」
「ぎにゃーっ、取るのは戻ってからですううぅ」
カップルのひとりが魔王さまでなければ、とっくに退場させれているところ。
こういうとき魔族は勇者任せにせず、自分達の王様は自分で教育して欲しい。
シルキスは、助けをもとめて騎手のエルフとキーヤを見たが、
騎手は巨鳥のコントロール、キーヤはダメージでぐったり、のふりをしてシルキスと目をあわせない。
「……あのう」
唯一の希望、ヘナだけが声をかけてくれた。