魔王さま100分の2

「……体内の異物なら、痛みなしで除けます」

朗報。
シルキスは、涙目を輝かせてヘナににじり寄る。

魔王さまが、取れたての破片を持ってくっついてくる。

「ヘナの回復魔法で自然に抜けるとか?」

「……いえ、私の回復でも異物は手で抜く必要があります」

「よし、やはりシルキスには私の箸さばきが必要なのだな」

魔王さまは、心底嬉しそう。

「……ただ、深い眠りに落として、その間に済ませれば痛みはありません」

「深い眠りというと、必殺パンチみたいな?」

「……あれよりは緩いです。緩いかわりに目が覚めるのに時間がかかります」

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