Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
あっちゃんが不安そうな目をしてあこを見つめている。

分かってる…
あっちゃんが言ってる“アイツ”は…。

でもね…

ケンとキスをしても、幸せは感じたけど、こんな風に“魔法”に掛ったりはしなかったんだよ。

あっちゃんのキスは、本当に魔法。

幸せの魔法。

力が入んなくなっちゃうんだ。

…どうしてかなぁ?

『あっちゃんじゃないと…こんな風になんないよ…』

日中なのに薄暗い車内。

大好きな人と二人きり。

「キャハハッ(笑)」
その車の横を何人もの人が笑いと共に通って行く。

いくらスモークが貼られていても、もしかしたら見られてるかもしれない…

あこの心臓は爆発寸前だった。

ドクドクドクドク……

「…プッ(笑)
あこ…お前、ドキドキしすぎ!」

『えっ…!!』

あっちゃんの顔を見ると八重歯がチラッと見えた。

「心臓!バクバク言ってんの聞こえるんだけど!

…何期待してんのっ?(笑)」

あっちゃんの人指し指があこの丁度心臓のあたりを突いた。

…確かに…
心臓の音は、あこの頭にまで響いている。

やばいよ!
心臓!静まって!!恥ずかしすぎる!
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