Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
おばちゃん、ちょっと痩せた?

…そうだよね。
あっちゃんのお父さんも亡くなった。

…あっちゃんと同じ病気で。

夫を亡くして、息子まで同じ病に倒れる…

どんなに辛いだろう…

『…あっちゃんは!?
おばちゃん!あっちゃんは?』

おばちゃんはあこの言葉に反応した様に、腕の力を緩めた。

久々に見る、おばちゃんの優しい顔。

少しやつれたみたい………
おばちゃんは泣いてた。

「あこちゃん…一つだけ、言っておくわね?」

ゴクン…
あこはおばちゃんの真剣な目を見つめながら唾を飲み込んだ。

大丈夫だよ。
おばちゃん…

あこは何を知っても、もう気持ちは揺るがないよ。

覚悟は出来てる。

おばちゃん、あこはね…

どんな事があっても、あこを優しく包み込んでくれる、大切な人を…

あの優しい人を

捨てて来てしまった。
もう、後ろは振り返らない。

振り返ったらね、怒られちゃうんだ。

ケンに怒られちゃうんだ。

「あこちゃんが、ここに…

病院に居るって言う事は…もう知ってると思うけど…」

おばちゃんはその先の一言を中々口にできずに、目には涙を一杯溜めている。

『おばちゃん!
大丈夫だよ!

あこがついてる!!』

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