逆×LOVE
どうやらその水無月らしい人と目が合う。

いや、ちょっと待て。

「み..な...づき、くん?」

さっきまでスタイリストのしかも“女の人”で?今は水無月?
わけが分からない。ドッキリか、これ。

水無月の頭の近くにはヅラらしき物が転がっている。

少しすると、水無月らしき人は自分の頭を触って目を見開いた。
ヅラが取れている事に、本人は今更気付いたらしい。

「すいません、とりあえずどいてもらっても良いですか?」

突然声をかけられた。
うわ...俺ずっと上のってた?
超恥ずかしい、まじで恥ずかしい。
そんでコイツは男、女、水無月、スタイリスト...どれだ!
水無月か!水無月なのか?!
声も似てるし確率高いけど、
そうだとすると尚更恥ずかしいぞ!!

恥ずかしさと何だかよく分からない思考が交差しつつ、俺は顔を真っ赤にしながらどいた。

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