幼なじみの執事
「葵衣、これ読みたいって言ってたろ?オレは読んだから貸してやるよ」
絢斗があたしに渡そうとしてるのは、かなり話題になったミステリー小説。
「犯人、教えてやろうか?」
「やだっ!言わないでよ?」
「あのな…実は……」
「サイテー、絢斗!めちゃめちゃ楽しみにしてたんだから、言わないで」
「分かった、分かった。言わないって、冗談だよ。
葵衣はすぐムキになるからなぁ」
屈託のない笑顔で、あたしの頭をクシャクシャって撫でまわす。
「またそうやって、子供扱いするんだから」
怒る素振りを見せながらも、幸せがあたしを包む。
気づいたら大きな口を開けて、心の底から笑ってるあたしが
そこにはいた……