幼なじみの執事
「今日車で来てるんだ。
この後、ドライブがてら食事に行かない?」
映画を見終わってそう言った彼に、笑顔で頷いた。
「映画、凄く面白かったね」
運転する春日部さんの横顔は、妙にあたしをドキドキさせた。
あたし、男の人の車に2人きりで乗るの初めて……
きっとその状況も手伝って、より胸がうるさく音を立ててるのかもしれない。
「葵衣ちゃん?」
「あ…ゴメン。うん、凄く面白かった。最後の方なんかドキドキしっぱなしだった」
「あぁ、分かる分かる。僕も同じだよ」
そんな話をしてる間に、ある店の前で車が止まった。
「勝手にお店決めちゃってゴメンね。葵衣ちゃん、嫌いかな?」
「お好み焼き?あんまり食べたことないけど……嫌いじゃないよ」
「じゃ、ここの食べてみて!この店のお好み焼き絶品なんだよ。きっと気に入ってくれると思う」
「あ…うん」
「やっぱ嫌かな。別の店にしようか?」
「ううん嫌じゃないんだけど、なんか意外だった。
もっとオシャレなイタリアンとか行く人だと思ってたから…」
「自分が大好きなものを、葵衣ちゃんに食べさせたかったんだ」
このギャップは、かなりポイントが高かったりする。