幼なじみの執事
「葵衣ちゃん、こっち!」
手を振る春日部さんを見つけて、あたしは駆け寄った。
「待たせちゃった?」
「ううん、僕も今来たとこ。今日の服、とても可愛いね」
「ありがとう。春日部さんも違う人かと思った」
「少しは若く見える?葵衣ちゃんとバランス取れてたらいいんだけど」
照れくさそうに笑った春日部さんは、ホントに別人みたいだった。
前のホームパーティーでのスーツのイメージが強かったけど、今日の彼は前髪を下ろしてカジュアルな服をセンス良く着こなしていた。
「若く見えるよ…っていうか、カッコいい」
「ホント?!お世辞でも嬉しいよ。じゃ、始まっちゃうし行こうか」
大人の対応は心地良くて、絢斗を好きで好きでがんじがらめになってるあたしを解放してくれる感じがした。