恋愛上等!~不良な彼氏~



「な、何で体操してんの…?」


私は手を止め、まだ懸命に体操してる奏斗に聞いた。



奏斗は私の声に顔だけコッチに向けると、何言ってんのコイツ、的な顔をした。


いやいや、その顔をしたいのは私の方だよ!



「そりゃあ、動いたからに決まってんだろ」



「……は?」




動いたから?たったそれだけで一生懸命体操してんの?


…うん、バカじゃね?



「んなことも分かんねぇのかよ」


奏斗はハァとため息をついた。


でも、手を休めることなく体操はしてる。



うわぁ、マジで意味わかんねぇ、コイツ。



私はそんな奏斗を無視して、体操を続けた。


伸びをすると目に入ったのは、空。




「……あれ」



さっきまであんなに晴れてたのに。


なんか雨が降りそう。


雲一つなかった空が、今は段々と雲が増えてきてる。



「何か嫌な事が起こりそうな予感…」


私は伸びをしたまま空を見つめていた。



「あ?なんか言ったか?」


奏斗は振り返り私を見ると、眉をひそめた。



「…いや、なんでもない」


私はそう答え、前を向いた。



前を向くと目に入ったのは、仲良さそうに話をしている由奈と律。


と、奏斗と遊んでる秋哉。


嫌な予感する…うーん、私の気のせいだといいけど。


まぁきっと気のせいだな、うん!



私は一人そう納得すると、とりあえず律に跳び蹴りをした。






けど、空はもう雨が降りそうなほど、雲で覆われていた。









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