夢からなるキミへ
『ケイゴ…』

ミズキはそっと呟いた。

『ネックレスを見つめてるミズキさん、何か寂しそうでした。きっとリュウゴさんに会いたいんだって…まだリュウゴさんを必要としてるんだって…だから僕はリュウゴさんを…』

僕はミズキに事情を話した。

『ケイゴのバカ!!』

事情を聞いたミズキは突然怒鳴った。

『リュウゴの事なんて、もうどうでもいいよ!!あたしが…あたしが…今1番必要としてるのはケイゴだよ!!』

ミズキはまた目に涙を浮かべた。

『で、でも…』

僕がそう言うとミズキは棚の引き出しから、リュウゴさんから貰ったネックレスを取り出した。

『このネックレスは確かにリュウゴがくれた物だけど…あの日海でケイゴが必死に見つけてくれた物でもあるから…。あたしが昨日このネックレスを通して見てたのは…リュウゴじゃなくて、あの日のケイゴだよ!!』

ミズキは涙を流した。
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