夢からなるキミへ
『ケイゴは大丈夫だよ…ケイゴならきっとまたすぐに良い恋が出来るよ』

ミズキは僕の目をじっと見つめた。

『そんな…僕は…』

僕がそう言いいかけると、ミズキはそんな僕の言葉を聞かずに言葉を被せて来た。

『ケイゴ一つだけ…一つだけあたしと約束してよ』

『えっ!?約束?』

『あたしがいなくなっても…恋する事を…人を好きになる事を恐れないで。あたしの事を忘れて、また新しい恋をしてね』

『ミズキさん…』

僕はミズキを抱きしめていた手をおろした。

『ケイゴの事だから、あたしがいなくなっても…ケイゴはまだあたしだけを思い続けて、きっと恋なんてしなくなるでしょ?だから…約束して。また誰かに恋する事を…誰かを好きになる事を…』

ミズキは左手の小指をピンとたて、僕の左手の小指に絡ませた。

『約束だからね』

ミズキは笑顔でそう言って、僕は渋々うなづき約束を交わした。

この時のミズキの笑顔が僕には凄く切なかった。
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