泡姫物語
「じゃあ……いただきます!」

みんな一斉にカルボナーラを食べた。

「美味しい!いつもと変わらず私の大好きな味だわ」

「友紀の手料理なんて久しぶりだな。なんか懐かしいよ」

味のほうは上々。これだけは失敗したこと無いんだよね。
修の用意してくれたワインも開けて、話題は3人の近況報告になった。

「それにしても修はなんで東京来たの?」

「あぁ、そうだった。まずはその話をしなきゃね」

修はフォークを置き、ワインを少し口に運んでから語り始めた。

「今年の春に大学を卒業したんだ。そのあと大学時代から続けているバイトを仕事としてきちんと始めることになって、今回は出張みたいなものかな」

「修って何の仕事してるの?見た感じ茶髪にピアスなんて普通の会社員じゃないよね?」

「実は俺、モデルやってるんだ。最初は読者モデルとしてちょっとしたアルバイト感覚でやってたんだけど、筋がいいなんて言われて調子乗っちゃってね」

「そうなんだ!修君すごいね」

お調子者の修は愛子に褒められて嬉しそうにしていた。

「じゃあ本格的にモデル業を始めたってこと?」

「そう。でも目標はトップモデルじゃない。本当はカメラマンに興味があるんだ。今はモデルとして活動しながらカメラの勉強をしているよ」

なんだか一気に修が大人に見えてきた。見た目は全然変わらないのに中身はすごく成長していて、私の知らない人になっちゃったようで少し淋しい感じもした。
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