あの時に戻れたら【短編】
旅館につくと私と私が駆け出した。

「「懐かしーい!全然変わってないね!!覚えてた景色のまんま」」


ハモりに磨きがかかった私と私。お父さんは小声で「双子も悪くないな」って言ってるのが聞こえた。


渉も来る前はハワイがいいとか言ってたわりに、着いたら楽しそうにはしゃいだ。渉はすぐに受験が待ってるけどお父さんは無理矢理連れて来た。家族3人の旅行はこれが最後になるから誰かが欠けたら意味が無くなる。



お母さんはいつもよりお父さんに寄り添うと2人で見つめ合って笑っていた。



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