それは、輝く星空のように
「ありがとね、弥生」


トイレで、わたしは3月女にお礼を言った。


弥生と恭介さんの助け舟がなかったら、押し切られていただろう。


「別にどうってことないよ」


こともなさげに言う。


さすが3月女、クールだぜ。


「でもさ、さっきのって、D組の山田でしょ?」


「うわぁ、安直なネーミング」


「・・・誰に言ってんの?」


「さぁ?」


「まぁ、そこはどうでもいいんだけどサ」


急に真剣な表情になって言う。


「アイツに絡むの、止めた方がいいよ」


「どして?」


「色々と悪いウワサが多いから」


「女グセが悪いとか、朝まで街で暴れてるとか、そんな感じ?」


「そんくらいならまだいいんだけどね」


含みのある言い方だった。


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