それは、輝く星空のように

羽田智徳の仕事

翌朝。


智徳は、早速行動を開始した。


黒いチェスターコートを羽織って、七尾家の近くに立つ。


既に菜月は家から出て学校に向かった。


智徳は、風邪を引いて休むことにした。


学校をサボるのは不本意だが、菜月のためだ。


かつて、智徳は誓った。


彼女の平穏を守ると。


ストーカーは、下着も盗っている。


ならば、下着を狙ってここに現れる可能性は高い。


それで張り込むのはいいが、確認しておきたいことがある。


ついでなので、ボディガードもたのんでおこう。


携帯電話を開き、アドレス帳から『鮫島弥生』の名前を探して電話をかける。


『へい』


だるそうな声が返ってくる。


「鮫島、今、いいか?」


『電車が来るまでならいいですよ。ナナオさん』


千歳学園で、智徳の裏の顔を知っているのは4人。


七尾菜月、鮫島弥生、西村楓、柏木恭介の4人だ。


「七尾菜月って知ってるか?」


『へ・・・?』


よほど意外だったのか、素っ頓狂な声が返ってきた。


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