迷子のコイ
「・・・あれ?」
「美羽《みはね》、どーしたの?」
金曜の夕方、これから店にでる私は
すぐに『あの子』だって気がついた。
「美羽! どこ行くのよぉ!」
「先、行ってて! すぐ行くー!」
職場の子を置いて、その子を追いかけた。
『アイリ』
上の名前は、知らない。
私がいま一緒に住んでる彼と
同級生だって言う彼女は
予想以上に
すごくかわいい子だった。
胸まである栗毛色の髪を
きれいに巻き、
ぱっちりとした目が
小さな顔を占領する。
なだらかな肩。
細い足。
どこをとっても、
守ってあげたくなるような子だった。
通りすぎる彼女を
何人もの男たちが
振り返って指差した。
それくらい彼女には、華がある。
私は彼女の
その華奢でなだらかな肩を
ポンと叩いた。
彼女はすぐに振り向いた。
店用のキツメの化粧をしている私を
彼女は最初、わからないようだった。
「美羽《みはね》、どーしたの?」
金曜の夕方、これから店にでる私は
すぐに『あの子』だって気がついた。
「美羽! どこ行くのよぉ!」
「先、行ってて! すぐ行くー!」
職場の子を置いて、その子を追いかけた。
『アイリ』
上の名前は、知らない。
私がいま一緒に住んでる彼と
同級生だって言う彼女は
予想以上に
すごくかわいい子だった。
胸まである栗毛色の髪を
きれいに巻き、
ぱっちりとした目が
小さな顔を占領する。
なだらかな肩。
細い足。
どこをとっても、
守ってあげたくなるような子だった。
通りすぎる彼女を
何人もの男たちが
振り返って指差した。
それくらい彼女には、華がある。
私は彼女の
その華奢でなだらかな肩を
ポンと叩いた。
彼女はすぐに振り向いた。
店用のキツメの化粧をしている私を
彼女は最初、わからないようだった。