迷子のコイ
「あの・・・」


あたしはおずおずと
彼女に買ってきたブーケを
彼女に渡した。


「ありがとう」


化粧をしていないせいだろうか。

今までの印象とは
ずいぶん違ってみえる。


「・・・ここに運ばれた日、
 一緒にきてくれたんだってね?」


「え?」


「ふふっ。
 カケルから聞いてるわ。
 アイツ・・・怖くて
 なにもできなかったって」


「・・・ごめんね」


彼女が急に言った。


「大人のくせに
 面倒かけちゃって」
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