迷子のコイ
「・・・アイ・・リ・・・」


疲れたカオ・・・。


あたしはそんな
カレの顔を見た途端に
愛おしさがあふれだし
カレをギュウッと抱きしめていた。


「もう・・・いいよ」


あたしはカレに言った。


「もう、大丈夫だよ。
 美羽《みはね》さんは
 もう大丈夫だから・・・」


今まで守られてばかりいた
カケルのことを
あたしははじめて

『守ってあげたい』って思ってた。




美羽さんが、言っていた。

カケルはあたしに会うために
日本に帰ってきたんだって。


1年間、アメリカでの
つらいリハビリに
耐えて、耐えて。


反対する母親と
半ば絶縁状態になりながら

単身帰国した
カレを待ち受けていたのは・・・



あたしに会いに来てくれたのに
あたしは笑いながら
他のオトコと歩いてたって・・・。
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