鬼畜王子の飼育方法
「あ、志季先輩…!」
夏生も気づいて、声をあげる。
ってアンタ、顔赤いよ。
彼氏目の前にして何やってんの。
そんな夏生にハラハラしながらも、再び志季へと視線を移す。
……何だろ。
いつになく、笑顔。
いつもだったら、会って早々嫌味の一つや二つ、当たり前なのに。
スリッパチョップも無し。
しかも……
「…夏生さん、だっけ。いつも将人と相澤がお世話になってます」
「…は?」
ちょいちょい待ちなされ。
アンタ今何つった?
将人さん(オレンジ先輩)は分かるよ?
けどさ、その次。
さりげなく、私をセットにしませんでしたか?
しかも、相澤って。
いつもテメェだのお前だので、名前なんて滅多に呼ばない癖に。